編集部の裏話

今月の、取材エピソード

あらゆる取材で九州・沖縄を飛びまわっている編集部スタッフは毎月、さまざまな人に会い、いろいろなお店や場所を訪ねています。記事にできなかったスタッフのエピソードやオモシロ裏話をご紹介!

映画『オードリー・ヘプバーン』 特別インタビュー
ショーン・ヘプバーン・ファーラーさんに聞く

5月6日(金)から公開の映画「オードリー・ヘプバーン」。『ローマの休日』『麗しのサブリナ』などで世界中から愛され、晩年はユニセフ国際親善大使として人々に尽くした伝説的スター、オードリー・ヘプバーンについてのドキュメンタリー映画。オードリーの息子や孫、友人、俳優時代の仲間などプライベートに迫るインタビュー、貴重なアーカイブ映像によって、これまで隠されてきた、一人の女性としてのオードリーを映し出します。クリムでは、そのオードリーの長男であるショーン・ヘプバーン・ファーラー氏のインタビューに成功しました。女性として、母として、女優として、魅力あふれるオードリーについて伺いました。

オードリーを語る人々

映画で語られているのは、大女優としての顔を持ちながらも、一人の人間として、女性として悩み、葛藤する姿。そんなオードリーの素顔を知るさまざまな人が登場し、映画は進んでいきます。驚くのは、有名人だけでなく“近所に住んでいた知人”という人も、スクリーンに登場している点です。 「映画監督や共演者が語るドキュメンタリーが多い中、大事にしたのは、僕自身と同じ視点で彼女を語ってくれる人々に出てもらうということでした」という、ショーンさん。他の銀幕のスターとは一線を画するオードリー。その彼女は離婚や父親との確執など、多くの葛藤を抱える一人の女性であり、子どもたちに普通の生活を与えようと努力する母親の姿でした。 「オードリーはエリザベス・テイラーのような大女優とは違う、向かい側に住んでいる女の子のような存在でした。私たちと同じような生活を送っているところを見せたかったのです」

母として、家族として

「母は私たちにイデオロギーや宗教などを押しつけずに、自由に育ててくれました。それは彼女が祖母から受けた教育の裏返しだったと思います。僕は自分たちの家族を“サーカスファミリー”と呼んでいます。とても賑やかな家族でした。そして僕の幸せは母を笑わせることでした。苦労していた彼女を笑顔にすることは僕の喜びだったんです。変顔をしたり、おどけたりして、彼女を笑わせていました」

思い出の品は今も家にあふれている

ショーンは今、イタリアのトスカーナ地方に住んでいます。その家にはオードリーが愛していた英国家具や、さまざまな絵画があふれているのだとか。
「母の90歳の生誕を記念したプロジェクトの最初が展覧会でしたが、その展覧会にも家具や絵画を展示しました。今もそれらは大事に保管していますよ」
ショーンさんの家には、オードリーの写真もたくさん飾られているとか。「家に訪ねてきた知人が、僕が彼女の息子と知らずに“あなたはどれだけオードリーのファンなの!”と驚いたこともあるんですよ」。数々の思い出の品は、今もショーンさんと一緒に暮らしているようでした。

いま、もしオードリーがいたら、何を伝えていたか…

今はさまざまな不安要素が世の中に満ちています。病気、戦争、さまざまな紛争。もし、オードリーが今生きていたら、どんなことを伝えていたでしょうか。
「きっと彼女は歴史が繰り返していることに、がっかりしていたことでしょう。そして真のグローバル化、お互いに手に手を取り合うことの大切さを訴えていると思います。一番大事なリソースは、人は他の人を大切にするということ。それこそが重要と彼女は言っていました。改めて今、その思いを強くしています」
スクリーンを彩った可憐な女優であり、ジバンシィを着こなすファッションアイコンであり、そして悩み、行動した母、女性であった、オードリー。その生き方は今の私たちに力強いメッセージを送ってくれているかのようです。公開中の映画で、そのメッセージを受け取ってみてください。